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令和5年年頭に当たって


2023/01/01(日)
皆様にはお健やかに新春をお迎えのことと存じます。
旧年中は、格別のお引き立てご厚情を賜り誠にありがとうございました。どうぞ本年もよろしくお願い致します。

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3年に及ぶ今回のコロナ禍では、社会全体が大きな打撃を受けました。新型コロナは、世界中に感染症が広がるパンデミックとして、地球規模の大災害になりました。
平和な世の中に慣れ切った私たちは、瞬く間に、あたかも「戦争」の中に放り込まれたようでした。
そして、その「感染症との戦争」の最中に起こった本当の戦争。2月に起こったロシアのウクライナ侵攻は、原材料やエネルギー価格の高騰、そして円安の進行を招き、その結果による物価上昇は、企業活動や家計消費に大きな影響を与えました。

弊社でも、昨年はコロナ感染者数と酒類・食品類の値上げラッシュに翻弄された昨年一年間でした。

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コロナ禍の中、酒類流通業界は「少子高齢化」「お酒離れ」に加えて、強大なバイイングパワーや酒類小売市場への新業態の参入等が一層進み、先述の通り、最近は、原材料費やエネルギーコスト、その他の資材の上昇による出荷価格の値上げや、人手不足等を背景とした物流関係費の高騰などのコスト上昇が顕著になっています。
その一方では、新型コロナの直撃による酒類需要の落ち込みからの回復が十分とは言えず、消費者の節約志向も続いて見られ、依然として厳しい環境にあります。

また、物流をめぐっては、ドライバーや庫内作業員の不足、人件費や燃料費の上昇によるコストアップが進んでいて、今後、コロナ禍で落ち込んだ酒類需要が回復してくれば、それがますます顕著になるのではないかと懸念されます。併せて、令和6年4月から、貨物自動車運送業に対する時間外労働時間の罰則付き上限規制や、改正された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」が適用されるため、運送業者から荷主に対して、荷待ち時間や付帯作業の削減などのドライバーに係る労働改善が求められ、最終的には彼らが事業を継続するために必要な運賃・料金の支払いを求められることになるでしょう。

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弊社としても、事業を維持するためには、平成28年6月の「酒類の公正な取引の基準」に則った取引の維持に努めるとともに、物流に関しては、将来にわたって安定した物流インフラを確保するために、物流とその周辺作業の合理化・効率化を図らなければならないと考えています。

また、お得意先様・お取引先様に対して、「卸機能」に対する正当な評価を頂き、併せて物流効率化のため取引慣行の見直し等にご協力をお願いしたいと思います。

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一方、本年の10月には酒税改正(酒税の税率構造の見直し・第2弾)と、消費税の仕入れ税額控除に係る「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が同時にスタートします。特に後者については、全業種業態に影響する大きな制度変更で、事前の準備が重要となるのですが、今のところ、感心度合いは低いと言わざるを得ません。スムーズな移行のため、弊社内での制度に対する理解を深めるとともに、お得意先様との連携を密にとっていきたいと思います。インボイス制度に関して何かご不明な点があれば、弊社担当宛、お問い合わせください。

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酒類は、酒税的に見れば「財政上重要な物品」ですが、同時に「致酔性飲料」という側面を持っています。その「致酔性飲料」に対する社会的管理の要請が高まっています。国の政策としても、酒類の社会的管理は重要な課題として取り上げられており、令和5年度からは、厚生労働省によって、国民それぞれの状況に応じた適切な飲酒量、飲酒行動を判断するための「飲酒ガイドライン(仮称)」の導入が予定されているそうです。

私たちは、酒類販売業者としての社会的責任を果たすとともに、酒類の「民族が生み出した文化」としての面を大事にして行きたいと思います。
福島県南酒販株式会社
代表取締役 山口 哲行